友人と恋愛話で盛り上がる、というのはもはや故事なのでしょうか。
令和時代ではアラフォーに限らず若い人たちでも自分の恋愛について誰かと話すということは少なくなっているのか…？と思ったりもしますが、気にせず語りたいと思います。
それこそ自分が若年層に属している時代には、友人同士で恋愛のあれこれを相談したりのろけたりひけらかしたり色んな形で披露しあっていましたが、中年層・アラフォーに差し掛かるとそういう機会はぐっと減ります。
女性の場合、仕事や結婚などのライフステージの変化に加え、やはり生物学的に出産や育児というビッグイベントが大きなターニングポイントのひとつになるでしょう。
男性の育児参加率が上昇してきたとはいえ、幸か不幸か胎内で子を育み、産み出し、人工でない乳を与えるという行為は、女性の機能を持った人間に与えられている役割なのです。
だからと言って必ずしもその役割を果たさねばならないとかいう話ではなく、“恋バナ”の話です。
アラサーの恋愛話
私たちが他人の恋愛についてあれこれ詮索しなくなるのにはいくつか理由があると考えています。
まず、上記のようにそれぞれの生活が変化することによるすれ違い。
そのすれ違いも、物理的なものと精神的なもの2パターンあると思います。
毎日のように会って話していた学生時代とは社会的環境も人間関係も住んでいる場所も違うとなってくると、それこそ「どーでもいいような恋バナ」なんて話題の優先事項から簡単に追いやられてしまいます。
そして、20代後半から30代前半の所謂アラサー世代になり、それぞれが異なるステージで日々を闘うようになってくると、もはや恋バナは共通の話題ではなくなり、積極的に恋愛話をしようものなら「まだそんな話してるの？」というような空気感が醸成される場合さえあるのです。
アラフォーの恋愛話
そんな時代を経て、アラフォーを迎えた我々は、恋愛話にどう向き合えば良いのでしょうか。
バリバリのアラフォー街道を邁進するわたしが最近出した結論は、「寧ろ積極的に話していこう」です。
一周（？）回ってここに着地しました。
しかし、その恋バナと対峙する姿勢には、当然若年層の頃と比較して変化が生じてきます。
それは紛れもなく他人がこの十数年で変わってきたことの証であるのですが、それと同時に、当たり前に自分も変わっているからなのです。
そもそも、アラフォー女子が語る恋愛話には、他人からの評価やアドバイスを必要とするものが少ない傾向にあります。
それにもいくつかの理由が考えられます。
これまでの経験から今後自分がどのように立ち振舞うべきか分かっている。
現在手にしている恋愛関係や感情と連れ添って行く覚悟がある。
自分の手に負えそうにない恋愛には最初から踏み込まない。
若かりし頃、つまり ”自分の気持ちを押し付け恋愛全盛期” の頃は、相手の気持ちに対する想像力の欠如や、己の置かれている状況を俯瞰して見るというような発想が無い為、予測不能な事態が起こることが多々ありました。
そのため、その想定外の状態を抱えきれず友人に相談するという行為が自然的に発生し、運よく同じようなシチュエーションを経験した誰かの法則を借りてシミュレーションしたり、客観的で冷静な助言により我に返ったすることができました。
当時の学生の恋愛などは、パターン自体もそう多岐に渡るものではありませんでしたし。
その恋愛トークの中で、私たちは他人の恋愛をジャッジしたり、されたりしてきました。
本人を目の前にしてそれを告知するか否かは別として。
しかし、アラフォーになって気づくのは、私たちが他人の恋愛をジャッジするという機会は圧倒的に少なくなっているということです。
大人の恋愛話
私たちは大人になり、他人の恋愛をジャッジするということを辞めたのか？
話はそんな簡単なものでも無いような気がします。
以前も書きましたが、大人女子の恋愛は、なかなか複雑で曖昧模糊としていることが少なくありません。
それが魅力でもあるのですが、それ故に、まず他人に語りづらいという側面があるでしょう。
単に倫理的に問題がある恋愛だから、とか言うのではなくても、二人の関係性がちょっとややこしいので他人に説明しづらい、とか、自分でも理解できてないことが多いから言葉にできない、とか、アラフォーってなんだか色々あるのです。
一方で、他人の恋愛話を聞いたアラフォーはどうでしょう。
自分には語る恋愛がない、経験から世の中には色んな恋愛があると知っている、他人の恋愛話を聞くと自分の進歩のなさに愕然とする、など、同世代の誰かの恋愛に対峙した時に抱く感情は様々です。
そして一様に、複雑で曖昧模糊な恋愛を受け止めている相手に対しては、たとえそれが自分の恋愛観とは異なっていたとしても否定するようなことはしないし、寧ろ自分は選べないような他人との関係性を構築できている相手に対して敬意を抱いたりするのです。
以前「なぜ中年の恋愛は気持ち悪いとされるのか」と言うような内容のコラムでも書きましたが、結局、自分で自分の恋愛をハンドル出来ている人は、中年であってもかっこいいのです。
アラフォーになって恋愛するって、やっぱりある程度覚悟がいるし、それは長く続いている恋愛でも新たに始まる恋愛でも同じだと思います。
私たちはアラフォーになり、二人の関係性にも、自分自身にも終わりがあると言うことに気づいています。
それを理解した上で、覚悟を持って恋愛しているのなら、他人がそれをジャッジしたりできるはずがないのです。
でも、私たちは彼女たちの恋愛を讃えることはできます。
彼女たちの恋愛について知ることで、自分を省みたり、自分を奮い立たせることもできるのです。
だから、わたしはアラフォーこそ積極的に恋愛話をしていこう！と思うのです。
「アラフォーだって恋愛上等！」な気分になったら否定せず邁進してきましょう！
