Room Me Mine

迷子のアラフォー部屋

【case/No.012】そろそろ面倒くさい嫉妬の感情とお別れする時が来たようです。

f:id:nomiyamiho:20210220223827j:plain

アラフォーにもなると、私たちが若かりし頃に振り回された「嫉妬」「ジェラシー」という人間の醜くて煩わしい感情からは解放されるものだと思っていましたが、案外そうではない人もいるようです。

 

多くの妙齢の女性は、恋人や友人への嫉妬心、そしてまた逆に恋人や友人からのジェラシーの念に苦しめられた経験があるでしょう。

そして、そんなお年頃を少し遠くに置いてきた中年期の私たちも、懐かしく思い出すそれ系の記憶がいくつかあるのではないでしょうか。

 

 

学生の頃には自分の嫉妬心を持て余していたメイコさん(41)は、最近複数のパターンのジェラシーを立て続けに経験し、少々面食らっています。

 

一つ目は、大人になってからできた友人からの思わぬ嫉妬心でした。

趣味のサークルで出会った友人Aさんは、最初サークル内の複数人で交流する中の一人という関係でしたが、ある時二人きりで食事に出かけたことをきっかけに距離が縮まりました。

住んでいる場所が近かったということもあり、それから二人で出かけることが何度かあり、他のサークルメンバーよりは深い話をする仲になりました。

ある日、メイコさんは古くからの友人と出かけた際に、ばったりAさんと出会いました。

思わぬ偶然にメイコさんとAさんは驚き、笑顔で挨拶を交わし別れましたが、その日の夜にAさんから届いたLINEに、メイコさんは少し不穏な空気を感じました。

Aさんは、自分と一緒にいた友人についてあれこれと詮索してきたのです。

メイコさんは最初、投げられる言葉の異様な圧力に戸惑っていましたが、次第に懐かしさが蘇ってきました。

自分が1020代の頃、女友達の間で行き交っていた“あの子の一番の友達は私”“自分の知らないところで他の友達同士が会ってるなんて許せない”みたいな剥き出しのヒリヒリのジェラシーです。

しばらくそんな感覚とは縁遠いところにいたメイコさんは、「中年になってもまだ現役でこんな感情を飼っている人がいるんだ」と新鮮な驚きを抱きました。

 

程なくしてメイコさんに浴びせられたのは、職場の同僚からの嫉妬心。

日頃から気分の浮き沈みが激しいその同僚Bさんは、その日朝から不機嫌の女王でした。

そして、ふとした時にメイコさんに軽く憤慨して見せました。

文脈が理解できないメイコさんに対し、Bさんは臆面もなく「あなたが自由に生きているように見える事に腹が立つ」と言ってのけたのです。

メイコさんは文字通り返す言葉がありませんでした。

そしてその発言を持ち帰り読み解いてみたところ、それがまたもやジェラシーに根付いていることに気づきました。

不機嫌の女王は、敵意を示す相手より自分が幸せで居たい、自分と同様のレベルと思しき相手の上に立ちたい、というような感情を抱きがちなのではないか、と思ったのです。

しかし、中年のそれはとてもグロテスクで、年を重ねても尚そう言った感情を表面化してしまうBさんのことを、メイコさんはなんとなく不憫に思いました。

 

そして三つ目の嫉妬心は、最近急速に距離が縮まった異性Cさんとの会話から発生したものでした。

メイコさんが洗礼を受けている中年のジェラシーについての話題の中で、Cさんは仕事上で嫉妬心を抱く事があると語りました。

しかし、嫉妬しても良い事は無いし、一度そう言った気持ちが芽生えるととことん堕ちてしまう傾向にあるため、自分はそういう感情を抱かないようコントロールしている、という話でした。

同様に恋愛に関しても今はそんな感情を抱く事はほとんど無いという発言を聞かされたメイコさんは、その時、会ったことも無いかつてのCさんの恋人たちに対し嫉妬心を抱きました。

なぜなら、彼女たちは、きっとCさんに嫉妬心を抱かせる事があっただろうから。

そんな自分のジェラシーに気づき、メイコさんは居た堪れない気持ちになりました。

そして、自分が手放したと思っていた嫉妬心は、心の奥底に眠っていて、スイッチ一つでまだ全然発動するもんなんだなと、うんざりするような呆れるような微笑ましいような複雑な心境を抱くのでした。

 

 

大人になったから、中年期を迎えたからと言って、私たちの嫉妬心が自然に消滅する事は無いでしょう。

アラフォーとなった私たちがヒリヒリとしたジェラシーに振り回されなくなったとすれば、それは様々なことを上手に諦める事が出来るようになったから。

そういうものだ、と身の丈に合った受け入れ方が出来るようになったから。

そして多分、色々なことを突き詰めていくことが面倒になったから。

 

でも、何か少し自分の欲望がそこからはみ出てしまった時、私たちの嫉妬心は顔を出してきます。

嫉妬する事自体は、それが原動力となることもあるでしょうし、悪いことだとは言い切れません。

しかし、持て余すようなグロテスクな嫉妬心は、なるべく芽生えさせないようコントロールし、ましてや他人に対して剝き出しにするような事は避けるべきだと思います。

それがスマートにアラフォーを生きる為のテクニックのひとつとなるのではないでしょうか。

幾多ものジェラシーを乗り越え年を重ねた私たちは、飼いならすことの出来ないような嫉妬心とはお別れするよう努めたいものです。

rmm2021jp.hatenablog.com