Room Me Mine

迷子のアラフォー部屋

【case/No.008】失恋して傷つくことに鈍感な私は果たして幸せなのかそれとも不幸?アラフォー女子の別れ話の数々。

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恋に破れて毎晩泣いている。

彼のことを思い出して仕事も手につかない。

思い出を捨てるために全然知らない場所へ旅をした。

爆音で歌いながら海までドライブ。

友達に召集をかけて朝まで飲み明かす。

 

みたいな失恋エピソードを、あなたは持っていますか。

 

以前、アラフォーだって恋愛上等!という内容のコラムを書きましたが、つまり恋愛するってことは、アラフォーだって失恋するってことです。

当たり前ですが。

rmm2021jp.hatenablog.com

今日ご紹介する”迷えるアラフォー女子メイコさん” は、そんな失恋エピソードをどこかに置いてきてしまったアラフォー独身女子(41)です。

 

メイコさんは、それこそアラフォー認定を授かる35歳を過ぎたあたりから、周りの女子たちが恋愛沙汰で騒ぐことが減り、多くは旦那や子供などファミリー関連の話ばかりするようになったと感じています。

それでも、同じく独身の友人知人たちの間では、婚活に励んでいる子、恋人と長く安定した関係を築いている子、自由恋愛を楽しんでいる子、道ならぬ恋に走る子など、実に様々なアラフォーの恋愛模様が繰り広げられています。

 

婚活アラフォー女子たちの多くは、年月を重ねるほどにどんどん疲弊していき、40を過ぎると、時に相手の男性に恋愛感情なんて抱いてないようにさえ見えます。

しかし残念な事に、恋愛への高揚感が失われても、喪失感や落胆は失われることがないようで、スムーズに結婚まで流れ着くかと期待した相手との別れの際には、彼女らは大きなショックを受けています。

メイコさんは積極的に婚活をしたことはありませんが、彼女たちの、失恋とはまた違う類の深い傷を見ていると、ますます婚活への苦手意識が高まってしまうのです。

 

昨今、様々な種類の出会い系アプリが出回っていて、目的に応じて使い分けることができます。

かなり少数派ではありますが、アラフォーでいながら自由恋愛に興じる女子にとって、それらのアプリは魔法のツールです。

メイコさんも登録を勧められたことはありますが、怖いという思いと、必要性を感じないため使ったことはありません。

38バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』を地で行くような彼女たちは、松本千秋さん程モテモテとは行かずとも、まあ不自由しない程度にはマッチングしているようです。

奔放に恋愛もどき活動を行う中でも、やはりそこは人間。

情が湧いたり、自分の情緒やホルモンに振り回されたりで、いわゆる「交際」をしていない相手であっても、定期的に連絡を取り合うことが無くなると凹んだりはするようです。

 

メイコさんがなかなか理解できないのが、その”マッチング”自体が倫理的にNGな関係、つまり不倫関係である場合。

「許されない」「道ならぬ」恋に落ちてしまったということが気持ちをさらに高ぶらせるのか、不道徳な恋愛関係に陥ってしまった女子たちは、婚活女子や自由恋愛女子よりずっと情緒的で恋愛に振り回されているとメイコさんは感じています。

そんな風に夢中になれてすごいな、という想いもありますが、その関係が破断した時の彼女たちの絶望は、いつもメイコさんを驚かせます。

未来にストレートな期待や希望を抱いてなかったであろう彼女たちは、それでも、”失恋”した時には涙を流し、楽しかった過去の思い出に縋ります。

メイコさんは、それに感情移入は出来ない一方で、恋愛なんて、勘違いみたいな事から始まるし、いつだってみっともないし、そんな激情に駆られる姿を少し羨ましくも思います。

それが正しい事かどうかはさて置き。

 

そして、メイコさんが側で見ていて一番辛い失恋は、長く連れ添ったパートナーとの別れです。

アラフォー女子が、5年、あるいは10年以上も生活を共にした相手と離れることを決断する時、とてつもない痛みを伴います。

未来への不安や寂しさを抱くことは当然で、中には”これまでの自分との決別”とさえ感じる場合もあるようで、心の一部を剥ぎ取られたように塞ぎ込む彼女たちを見ていると、メイコさんはそこに心底寄り添えないことに対する虚無感に苛まれます。

彼女たちの口から語られる二人のストーリーを聞いても、なぜそこに別れが必要だったのか理解できず、およそ自分には今までもこれからも構築できないような他人との結び付きに圧倒されてしまいます。

 

メイコさんは、恋愛に敗れた女子たちを見るたび、自分の「失恋」について考えますが、いくら記憶を辿っても、そんな風に他人に語れるエピソードが思い出せません。

自分もそれなりに傷つき、何らかの手段で立ち直ってきたのだろうとは思いますが、

これまで特別な関係になった男たちとの別れのシーンを辿っても、胸を掻き毟られるよう名場面には遭遇しません。

 

それはメイコさんが、傷つくということに対して鈍感になったからかもしれません。

 

傷つくことに慣れたというとネガティブな印象を受けますが、それはアラフォー独女を生きるひとつの処世術なのです。

 

でも他方で、もしかすると傷つくことを恐れて、新たな男女関係に深く踏み込むことが出来なくなったとも言えるかもしれません。

関係が浅ければ、別れた時の痛手も少なくて済むと肌感覚で覚えていて、本当は鈍感なふりをして、最初からのめり込むことを避けているのです。

 

今はそれでもいいかと思っていますが、これからもし誰かと関係を深めたいと思う時が来たら、自分はどうなってしまうのか、ささやかな不安が頭をよぎります。

 

それでも、メイコさんはこれから誰かと恋愛をするかもしれないことに期待をしているし、前述の彼女たちのように、恋愛に心を奪われることにちょっとした興味も抱いています。

恋に破れて傷つくことに鈍感であることは、ストレスフルな日々を生きていく上でアドバンテージになりそうな気もしますが、果たしてそれが幸せかと言うと、そうとも言い切れないなとメイコさんは思います。

 

40を過ぎて、人生の折り返しを意識する今、これまでも決して簡単ではなかった恋愛は、多分、もっと難しくなります。

だったらより難解に、これまで使ってこなかった感情を絡めていくのも面白いんじゃないかと、失恋エピソードを語れる女子たちを前にメイコさんは想像するのでした。

 

アラフォーになると、いくら傷つくことに鈍感なフリができても、失恋の痛手は相当なものです。

その時、どうにか自分を保てるようにするための手段や、全力で自分に寄り添ってくれる友達を携えておきたいものです。