Room Me Mine

迷子のアラフォー部屋

【case/No.009】ママ友付き合いに疲れたら美輪明宏氏の教え「人間関係は腹六分」を思い出します。

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アラフォーママの中にも、ママ友との付き合い方で頭を悩ませたことがあるという人は少なくないのではないでしょうか。

「ママ友」と一言でいっても、ママ友もその出会い方から付き合い方などによって、いくつにもジャンル分けされます。

子供を持つ前から友人関係にあった人も、子供が同伴すれば「ママ友」になりますし、逆に、知り合った最初のきっかけは子供だったけど、今は子供同士に交流はなく大人の繋がりだけが残っている、という場合だって「ママ友」の括りに含まれる訳です。

 

一般的に我々が「ママ友」という存在について想像する時、それは、未成年の子供たちの属するコミュニティで知り合い、子供の活動を通じて行動を共にするような人間関係でしょう。

つまりその関係は、子供という軸が無くなった時、その関係性は間違いなく希薄になります。

 

今日ご紹介するアラフォー女子は、ママ友との交流が苦手という訳ではないけど積極的には推進したくない派のメイコさん(38です。

 

メイコさんは、小学生の息子と幼稚園児の娘、二児の母です。

妊娠を期に働いていた金融系の職場を退職し、今は、子育てをしながら週に数日パート勤務をしています。

今は育児に軸足を置いた生活を優先するため、平日は時短勤務、土日はがっつり子供と遊ぶという日々です。

旦那さんは営業職で平日は忙しくしていますが、休みの日は家族と過ごす時間を大事にしてくれるため、メイコさんは自分は恵まれていると感じています。

 

小学生の息子は地域のサッカークラブに所属していて、まだ低学年のため親も参加する場面が多く、休みの日は練習や大会など何かしらの予定が入ります。

また、二人目の子供が幼稚園に入るタイミングで引っ越しをしたため近所に知り合いもいないことから、メイコさんも半年前から幼稚園のママさんバレーサークルに入会し、平日の昼間に練習に参加しています。

もともと同じ地区で子育てをしてきたママ友たちが多いようで、最初は新参者臭をプンプン放っていたメイコさんでしたが、だんだんと子供やお母さんたちの顔も覚え、次第に馴染んでいきました。

 

息子のサッカークラブは当番制で、仕事が休みの日や土日などは練習を見に行き、また息子の送迎もあるため週に何回もクラブのママ友たちとは接触があります。

基本的には、挨拶を交わしその日の練習のことをさらっと話す程度のママ友付き合いをしていたメイコさんでしたが、ある日、息子を迎えに行った際、ママ友たち数人が、絵に描いたような円陣を組み話し込んでいる様を見かけました。

雰囲気的に良くない話題が持ち上がっているのは明らかで、瞬時に拒否感を覚えたメイコさんは、でも、彼女たちといつも通りの挨拶を交わしながらその横を通り過ぎました。

漏れてくる会話から、その話題の対象が、同じサークルの別の親子がターゲットであるということが分かりました。

どうやら、先週クラブの練習を休んだその親子は、流行している病気の感染が広がっている地域に行った後に練習に参加していたようで、そのことについて、非常識だとか、もう来て欲しくないとか言い合っているようでした。

 

メイコさんも、子供がウイルスに感染することを考えると気持ちが良いものではありませんでしたが、そんな風に陰で誰かを批判するのは違うのではないかと思いました。

問題なのは、クラブにそのような場合どう対処すべきかというルールが定められていないことで、何らかの理由で行かざるを得ない場合もあるし、ただそこを訪れたというだけで人格否定するような発言をすることに、違和感を覚えたのです。

 

思えば、似たようなことは些細なことでも時々起こっていて、メイコさんは無意識にその輪に入ることを避けてきていましたが、これから息子の学年が上がり、自分ももっと積極的にクラブのママ友たちと関わっていかないといけなくなるのかと思うと、少し気が重くなります。

 

一方、ママさんバレーサークルの方は、練習は子供が幼稚園に行っている間に行われるため、その後ダラダラと話をすることもなく、メイコさんにとっては、一緒にサクッとスポーツをする爽やかな集まりという位置付けでした。

 

ある日メイコさんは、自分をそのサークルに誘ってくれたママ友から食事に誘われました。

幼稚園のお母さんから個人的に誘われることは初めてだったので嬉しくなったメイコさんは二つ返事で快諾、近くのカフェでランチをすることになりました。

ママ友とのランチは新鮮で、バレーの練習の時には話すこともないような突っ込んだ家族の話題や仕事の話などで盛り上がり、とても楽しい時間を過ごしました。

聞くと、サークルのママ友たちは、こうしてよくランチ会を開いているそうで、また次回開催する時にはメイコさんにも声を掛けるね、と言われました。

 

そしてその数日後、早速ランチをしたママ友から今度はサークルのメンバー4人で食事会をするからと誘いを受けました。

先日のランチがとても好印象だったメイコさんは、喜んで参加することにし、久しぶりに何を着ようか前日からウキウキしていました。

 

バレーの練習場以外で会うジャージ姿でないママたちはいつもより綺麗に見え、メイコさんのテンションは上がります。

ランチ会を重ねている彼女たちは、雰囲気も味も良く、でも主婦たちの昼食代として不相応ではない値段設定の食事を提供する絶妙なお店をセレクトしていました。

メイコさんは、家での適当な一人ご飯や、パート先で食べる残り物弁当以外のキラキラランチにすっかり心が奪われ、いつもより饒舌になっていました。

 

ママ友たちは、子供のこと、そして自分の旦那のこと、姑のことなど、メイコさんが「そんなことまで!」と驚くような内情まで語ります。

メイコさんは圧倒されながらも、色々と不満を抱いているママ友たちの話を聞き、自分は本当に恵まれているんだな、と改めて家族への感謝の気持ちが湧いてきました。

 

ママ友トークがさらに盛り上がっていった終盤、突如、その会に参加していなかったあるサークルメンバーの話が始まりました。

もちろん名前と顔は一致しているものの、そこまで深い話をしたことのないそのママ友のあれこれを、本人からではなく別のママ友たちの口から聞いていることに、メイコさんは少し居心地の悪さを感じていました。

話は思わぬ方向へ進み、彼女たちは、その不参加のママ友の旦那さんが不倫をしているという話題を持ち出してきました。

予想外の展開に、メイコさんは一瞬何の話をしているのかと面食らいましたが、このままこの場に座り続けていてもどんどんと気分が沈んでいくような直観があったので、タイミングよく届いた旦那からのLINEを口実に、体良く店を後にしました。

 

彼女たちは、いつもランチ会であのような話をしているのだろうか・・・?

 

自宅に帰りながら、メイコさんの頭の中には疑問と疑念が渦巻いていました。

そしてきっと、自分がいないところで、自分も同じようにネタにされることがあったのだろうなと想像しました。

幸か不幸か、メイコさんはこれまで特定のママ友と親密に付き合っていなかったので、多分彼女たちを愉しませるような話題は提供できてなかったのではないかと思いますが、それでも、あれだけ他人の家庭について勝手な発言ができる彼女たちは、ゼロからでも妄想で人物像を作り上げることなど朝飯前のような気がしました。

メイコさんは、もし今後またランチ会に誘われることがあっても、仕事などを口実にお断りし、これまでのような"爽やかなスポーツの繋がり"に重きを置こうと決意しました。

 

「子供」という、唯一無二の・存在感が巨大すぎる共通点を介して知り合うママ友は、自分の趣味や職場などの人間関係と違って、付き合う前にフィルタリングすることがなかなか難しい関係です。

また、子供同士の関係性なども絡んでくるため、自分の意思や好みで篩に掛けることにも躊躇が生まれます

 

ママ友とのズブズブな関係に踏み込み、そこで傷ついたり悩みを抱えている人は、本当にしんどい思いをしていると思います。

大人になってから友人知己を作ることが難しいことを、私たちは肌感覚で知っています。

でも、ママ友という存在は、育児の大変さや喜びなどを共有できるだけに、特に心が弱っている時などはすごく分かり合える特別な存在であると思いがちです。

もちろん、全てのママ友関係が勘違いだと言うつもりはありませんが、そこは自分個人の人間関係より、さらにフラットに客観的に見ながら距離感を図ることが大切だと考えます。

 

私たちの人生の大先輩である美輪明宏さんは、「人付き合いは、親しき仲にも礼儀あり、付かず離れずの腹六分ぐらいがちょうどいい」とおっしゃっていて、それは家族、友人すべての人間関係において言えることです。

 

私は、ママ友に関しては、この『人間関係は腹六分』の鉄則に忠実に従い関係を構築することが得策だと考えます。

ママ友トラブルによって気分が不安定になり、子供に八つ当たりしてしまっては元も子もありません。

腹六分の関係で、少しずつ様子を見ながら間合いを取って、「腹七分で行きたい」と思える相手を見つけることができれば、それはとても素敵なことです。

そしてまた、自分も誰かの”腹六分以上の存在” になれると幸せだなと思うし、自分と子供の日常に関わってくれている人たちに感謝しながら日々を過ごすことができれば最高です。

人間関係は腹六分」。

誰かとの付き合いに疲れそうになったら、思い出しましょう。