あなたの・私の周りに生息している”迷えるアラフォー女子メイコさん” の日常を、ケーススタディとして紐解く実録コラム。
今回のテーマは “セックスレス” です。
知人友人とおおっぴらにこういった話ができる環境に住まわれている方もいらっしゃるかもしれませんが、迷子アラフォー界隈ではあまり声高に・頻繁に語られることはありません。
しかし、全く無いという訳でもありませんので、現時点で集まっている情報を備忘録的にまとめておくことにしました。
レスの定義
まず、「セックスレスの定義」です。
日本性科学会によれば、「病気など特別な事情がないのに、1ヶ月以上性交渉がないカップル」と定義されている。しかし、便宜上「カップルのうち、どちらかがセックスをしたいと望んでいるのに、長期間それができない状態」を総じて「セックスレス」と呼ぶのが一般的な解釈である。セックスレスはレスされたと感じた側の浮気や不倫、離婚願望につながることが多い。〈Wikipediaより抜粋〉
1ヶ月ですか…。思ったよりずっと短いという印象です。
「不妊」については、日本産科婦人科学会により「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにも関わらず、一定期間( 1年というのが一般的)妊娠しないもの」と定義されています。
不妊と比較するのは妥当ではないかもしれませんが、1ヶ月というのはやはりレスの判断を下すにはやや尚早なのでは?と思うのは私だけでしょうか。
この定義でいくと、二人のうちのどちらかが長期出張だったり超多忙だったり、結婚していた場合は幼い子供が居たりなどの理由がない場合で、チャンスや時間的余裕はあるにも関わらず1ヶ月の間性交渉がなされないという場合はレスであると言えるでしょう。
夫婦の事情
ここでご紹介するのは、小学生と幼稚園児の二人の子供を持つ専業主婦のメイコさん(39)です。
彼女自身は、夫とはもう3年以上夫婦生活がありません。
そして残念ながら、メイコさん自身はそれを快く思っていません。
二人の子供が幼かった頃は、まだ手が掛かる子の育児が最優先事項となり、レスであることを意識することはほとんどありませんでしたが、下の子供が幼稚園に通うようになってから少し時間的な余裕が出来た時、自分と夫はセックスレスなのではないかと気に掛かるようになりました。
幸い子供は、二人とも望むタイミングで授かることが出来たため、一人目を妊娠して以降の夫婦生活に関しては言わば子作りの為の性交渉であり、何となく、夫の方ではそれ以降夫婦生活を必要とする意味を失っているのではないかと感じています。
ネットで色々検索してみたところ、多くの場合はどちらかというとメイコさんの家庭とは立場が逆で、妊娠産後は妻の方が性交渉を拒んでいることが多いような印象でした。
それを見て、メイコさんはますます自分から夫に対してレスであることについて話を切り出したり、その解消を望むようなことは求められないと感じています。
そんなメイコさんはある日、幼稚園のママ友の家でランチ会をすることになりました。
ママ友の食事会の話題は往往にして、まず子供や子供の通う幼稚園の話に始まり、次第に夫の話、そして最悪の場合はその場にいないママの欠席裁判となるのですが、その日は図らずして夫との夫婦生活の話になりました。
その日参加していたママはメイコさんを入れて五人。夫婦関係について臆面もなく話すママの一人につられ、それぞれが自分の家庭の事情を順番に話していきました。
結果、五人中二人は週に3回以上 定期的に夫婦関係があり、別の二人は夫も妻も性行為を必要としていない状態、そして、レスであると自覚し悶々としているのはメイコさん一人ということでした。
レスでないママたちも、逆に望んでレスであるママたちも、お互いの夫婦関係に驚いているようでしたが、自分たちの置かれている状況に不満を持っていないことは明らかでした。
メイコさんは、自分だけが夫との今の関係性に満足しておらず、また、それを解消する術も思い浮かばず、他のママたちから憐憫を掛けられているように感じ、何か自分がとても不幸であるような心持ちになりました。
メイコさんの場合は、レスであるということ以外で夫との間には特に不満も問題も抱えておらず、だからこそ、逆に気になり始めるとそこばかりに目が行ってしまうのかもしれません。
ネットには、レスで悩む同志の声がいくつも漂流していますが、求めても夫に冷たくあしらわれたり、長らく悶々としている女性たちの様を目にする度に、自分はこれからあと何年こんな気持ちを抱えていなければいけないのかと落ち込むこともあるようです。
男性の意見
メイコさんのように、妻の方がレスであることに対して悩んでいる場合もありますが、当然逆もあります。
妻から拒絶され、悶々としている夫も存在します。
性交渉に関わることだけでなく夫婦関係が冷え切っていた場合(例えば育児や家事に関する意見のすれ違いによる不仲など)、レスであることは、夫がその欲を家庭の外で発散させるということに容易に繋がる印象です。
その相手はプロであったり、アプリや飲みの席で出会った誰かであったり様々です。
残念ながらそういった出会いでレスの不満を解消させるチャンスは、女性より男性の方が簡単に手に入るような気がします。
妻や同居している恋人から性交渉を拒否された場合、その特定のパートナー以外でレスである不満を解消することは認められて然るべきだ、と語る男性も存在します。
たとえ特定のパートナー(恋人や配偶者)が居たとしても、別の相手との情事が散見される現代では、そんな意見も珍しいものではないのかもしれません。
しかし、レスでありながら、夫や恋人のそういった行為(いわゆる不倫や浮気)を許さないと言う場合は、自分も何からの努力や歩み寄りをする必要があるのでは?と個人的には思います。
解消方法は?
私が話を聞く限りでは、どちらか一方が「もう自分たちには性交渉は必要ない」と完全に拒否してしまっている場合、それを覆すことはとても難しいと言う印象です。
しかし一方で、夫が不貞を働きその不倫が妻に発覚したものの、妻がそれを許した後に、再び二人の間に定期的な夫婦関係が戻ったと言うなかなか特異なカップルも存在します。
結構強靭なメンタルだな…とも思いましたが、受難を二人で乗り越えたことによって絆や愛が深まり、お互いがさらにかけがえのない存在となったのかもしれませんし、その出来事が二人を燃え上がらせたのかもしれませんし、実際のところは他人には解りません。
ただ、私個人の意見としては、一度レスになった後にそれが解消すると言う場合は、どちらも”性行為が嫌では無い”と言う大前提が必要になると思います。
世の中には、本当に性行為自体が面倒で、出来ればしたく無いと考える人もいます。それは男女問わず、です。
お付き合いをした初期や新婚当初は、気持ちの盛り上がりやある種の義務行為としてセックスを行なっていても、付き合いが長くなると、もうその意欲や頑張りが続かないと言うこともあるのです。
また、年齢を重ねることで指向が変わったり、体調や生活環境の変化による性欲の減退ということも起こり得ます。
カップルのどちらかが拒んでいることによってセックスレスになっている場合は、つまり一方が戦意喪失している訳なので、そこから盛り返すのは難しいのではないかと言うのが私の印象です。
その場合は、レス解消に向けて話し合いをしてみることも、場所やタイミングなど環境を変えてみるとか、自分磨きをしてみると言うようなことも、残念ながらあまり意味をなさないのではないかと思います。
では、レスであることに不満を抱いているカップルの片方の人間はどうすれば良いのか?
もちろん、まずは話し合うことでお互いを理解し歩み寄り、妥協点を見つけることができればベストでしょう。
しかしそれが難しい場合、もし、性交渉が無いこと自体が不満の原因で、その相手に拘りが無いという場合は、別の誰かと性交渉を行うことをパートナーに打診してみることも考えなくてはならないかもしれません。
とても現実的ではないと思うかもしれませんが、実際にそれを許容しているカップルも無くはありません。
多くの場合は、パートナーにはそれを隠し行動に移していると言う事がほとんどだと思いますが、それでは相手に対して不誠実だ!とあけすけに直談判を行うカップルも居るのです。
なかなか稀有ではあると思いますが…。
もしあなたがレスに対して深く悩んでいて、話し合いをしたり様々なアプローチを行なってみても解消しそうに無い場合は、そういった手段も検討した上で、「そこまでする必要がある程に自分はレスであることに対して不満なのか?」と自らの心に問うてみると良いかもしれません。
カップルの関係性において、たとえセックスレスであったとしても、別の部分でその欠如をカバー出来ていれば、性交渉の有無が二人の間でそこまで大きな問題とはならない場合もあると思います。
行為自体を求めているのか?相手との関係性に不満があるのか?自分が満たされない心理の根幹がどこにあるのか一度しっかり向き合ってみることで、全く違った解決策で問題が解消することもあるかもしれません。