昨今本当によく見聞きするようになった「女性ホルモン」。
女性らしさを司るアレでしょ、くらいの漠然としたイメージで取り扱っていますが、目に見えないそのホルモンに、私たちは(ある意味)支配されています。
これからもうまく付き合っていく為に、女性ホルモンに対する正しい知識を身につけて、早めのケアで10年後の自分をご機嫌にしてあげましょう。
女性ホルモンとは
妊活の経験がある方などは詳しくご存知かもしれませんが、女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2種類が存在します。
「エストロゲン」は、子宮や乳腺など女性らしさや妊娠・出産に関わる臓器に作用する他、血液によって体内に運ばれ、心臓、骨、血管、皮膚など、体を正常に保つ為に働いています。
一方の「プロゲステロン」は、主に妊娠に関わる働きをしたり、体温、食欲に作用します。
月経と女性ホルモン
2つのホルモンは、月経リズムに合わせて卵巣から分泌されます。
どうやってホルモンが出ているのか?というと、それはとても神秘的で複雑な私たちの体のしくみによるものなのです。
まず、脳の視床下部が下垂体を刺激するホルモンを分泌
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下垂体が卵巣を刺激するホルモンを分泌
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卵巣の中の卵胞が成熟するよう働きかける
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卵胞が発育するとエストロゲンにより子宮内膜が厚くなる
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エストロゲンが一定量を超えると脳下垂体から黄体形成ホルモンが分泌
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黄体形成ホルモンが卵巣に届き排卵が起こる
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変化した卵胞がプロゲステロンを分泌し子宮内膜に着床の準備をさせる
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受精が不成立となると黄体・卵胞ホルモンが減少
内膜が剥がれ落ちて月経が起こる
(※理解不足による表現の誤りがあればすみません;)
「女性ホルモン分泌」とか軽々しく口にするのが申し訳ないくらい The Long and Winding Road をたどって私たちの愛しい女性ホルモンは誕生しているのです。
失いたくないエストロゲン
私たちがエイジングに立ち向かう時、もっと分泌して欲しい・・・と願うのは主に「エストロゲン」です。
コラーゲンの生成を促し、美肌や髪のツヤなどにも影響を与えるエストロゲンには、少なくなってもらっては困ります。
また、血管や関節、骨や脳の健康を保持する役割も担っている為、閉経を迎え、エストロゲンの分泌が減少すると体のあちこちにトラブルが発生します。
卵巣機能の低下による自律神経の乱れ。
これが更年期の正体なのです!
更年期に異常な恐れを抱いている私としては、どうにかしてエストロゲンを一定量に保っておきたいのですが、どうやら食事や運動、メンタルを整えてみてもエストロゲンの分泌量は増えないそうです。とても受け入れ難い事実です。
恋愛と女性ホルモン
「恋に落ちたら恋愛ホルモンが大量分泌!」なんて言われることがありますが、それはホルモンと言ってもドーパミンやエンドルフィンらであり、肝心の女性ホルモン・エストロゲンではないのです。
そして、ドキドキするのは単にアドレナリンの作用。
残念ながらエストロゲンは、自分の努力や環境で分泌量が変わる事はないのです。
「恋をしてキレイになった」という錯覚(!)は、心の安定によりホルモンバランスが整ったり、もっと綺麗になりたいと思って努力することによるものでしょう。
忘れてはいけないプロゲステロン
何事もバランスが大切ですが、女性ホルモンも例外ではありません。
エストロゲンとプロゲステロンは、月経周期に合わせて分泌量が変化しバランスを取っているのですが、これが崩れると、月経が止まったり周期が乱れたりという不調がおこります。
また、エストロゲンがプロゲステロンと比較して多くなり過ぎると、子宮体癌や乳癌になるリスクが高くなります。
プロゲステロンはそのリスクを軽減させる働きをする為、蔑ろにすることはできないのです。
卵巣の老化
閉経の平均年齢は50歳頃と言われ、その前後10年、45歳~55歳頃が「更年期(閉経周辺期)」とされています。
そして、その更年期ゾーンの手前である30代後半~45歳頃、つまりアラフォー世代の女性は「プレ更年期」を過ごすこととなります。
卵巣の老化は、大きく4段階に別れます。
・第一段階=31歳頃から、卵子の質が低下し始める。
・第二段階=37歳頃から、卵胞数が急速に減少し、妊娠しにくくなる。
・第三段階=41歳以降、妊娠率が著しく低下する。
・第四段階=45~50代、月経不順になり閉経する。
( 小山 嵩夫『もっと知りたい「女性ホルモン」』)
これを見る限り、卵巣の老化のターニングポイントは37歳ということになります。
エストロゲンの低下に怯えながら日々漫然と過ごしている間に、私の卵巣機能はどんどん年老いていたのです。
ToDoリスト
恐ろしい事実を突きつけられた今、10年後に枯れ枯れになってしまわない為に、エストロゲンは増やせずとも、今できることを考えたいと思います。
基礎体温を測りホルモンバランスが乱れていないかチェック
妊娠を考える女性が測るイメージの基礎体温ですが、女性ホルモンの状態をセルフチェックできる唯一の方法です。
自宅で手軽に測れるので、習慣にしてみると良いと思います。
私は目覚めて10秒で測れてアプリで管理ができる基礎体温計を使っています。
以前は時間のかかる体温計+自分で結果を紙に書き込む、ということをしていましたが、これに変えてとても手軽でデータの管理も便利になりました。
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かかりつけの婦人科を見つけておく
以前「迷えるアラフォー女はまず”行きつけ”を作ろう。」のコラムにも書きましたが、バリバリの更年期を迎える前に、ちょっとしたことでも相談できるかかりつけの婦人科を見つけておくことは、アラフォーのうちにしておきたいことの一つです。
ただ恐れるのではなく更年期について正しい知識を得る
未知の世界だからこそ恐怖を感じる更年期。
自分の体のことでもまだまだ知らないことが多いのに、経験してないことはますます分からなくて当然です。
漠然と怯える前に、正しく知って精神的に備えておくことも大切です。
(更年期についてはまたいずれまとめたいと思っています。)
更年期症状を軽くする為にも心身の健康に勤める
どの年齢にも言えることですが、更年期を迎える前のアラフォーは、どんな症状が出たとしても、それを最小限に抑えられるよう、今からバランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、禁煙などに努めたいものです。
カルシウムと大豆製品を積極的に摂取
バランスの取れた食事が一番大事ですが、更年期になると、女性ホルモンの低下により骨粗鬆症になりやすくなります。
その予防の為にも、40を過ぎたら特にカルシウムを意識的に摂ることを習慣にしましょう。
そして、大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は、減少していくエストロゲンに似た構造を持っており、似たような働きをしてくれるそうです。
大豆は動物性たんぱく質と違って、脂質やコレステロールを増やしてしまう心配も少ない為、ぜひ積極的に摂取したい食材です。
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一生でティースプーン1杯分とも言われる女性ホルモンに、私たちの心と体は大きく左右されます。
そして、そんな少量のホルモンが私たちの全身に影響を与えているという事実にも驚愕します。
5-10年後に向けてフィジカル・メンタル共に準備を怠らなければ、遠くない将来に必ず訪れる「更年期」を、降りかかってくる様々な憂いに抵抗する「抗年期」ではなく「幸年期」にすることができると信じて、まずは筋トレから始めてみたいと思います。