Room Me Mine

迷子のアラフォー部屋

【vol.005】アラフォーの承認欲求・所属欲求をどう満たすか?~「私なんて」と「私は私なんだから」の狭間で。

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「承認欲求」という言葉に馴染みを感じるあなた。

いつもお疲れ様です。最近どうですか?今日もヒリヒリすることがありましたか?

私も40代に足を踏み入れても未だ「承認欲求」を意識しながら生きているアラフォー女です。

前回のメイコさんのケーススタディ実録コラム『LINEの返信がいちいち気になってしまいます。』を書いていて、これはある意味承認欲求の問題なのではないか?と思い、アラフォーと承認欲求について考えてみることにしました。

「承認欲求」とは

承認欲求とは、一言でいうと「認められたい」という感情のこと。

他者から、もしくは自己から自分を評価してもらいたいという欲求のことですが、

一般的には前者の “他人から褒められたい、認知されたい”(評判や地位・名誉など)という感情として述べられることが多いかと思います。

・上司に自分の仕事を評価してもらいたい

・同級生に今の自分を見てすごいと言われたい

SNSの投稿にいいね♡をもらいたい

など、これらの承認欲求を強く抱いている場合、それが充たされないと焦りや苛立ち、劣等感などマイナスの感情を生み出してしまうこともあるでしょう。

人間の5段階欲求

この「承認欲求」は、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、人間の欲求を5段階に理論化したものの中のひとつです。

その人間の5段階の欲求とは「1,生理的欲求」「2,安全欲求」「3,所属欲求(社会的欲求)」「4,承認欲求(尊重欲求)」「5,自己実現欲求」で、私たちは1つ下の欲求が満たされると次の欲求を充たそうとする基本的な心理的行動を表す、とされています。

極めて動物的な「生理的欲求」と安心な暮らしを求める「安全欲求」は、本能や基本的な生活の上で満たされることが多く、次に人間として私たちが求めるのが「所属欲求」と「承認欲求」です。

「所属欲求」とは

では、「所属欲求」とはどのような感情なのでしょうか。

これは「社会的欲求」とも言われ、集団への帰属やその集団からの愛情を求める感情のことです。

人は物質的な欲求が充足すると、コミュニティに所属し、そこで他者から受け入れてもらうことを求めます。

その欲求が満足させられない状態が続くと、不安や孤独感を抱いてしまいます。

組織への帰属意識が強かった高度成長期の日本のサラリーマンは、きっとこの所属欲求は満たされまくっていたのではないかと推察します。

承認欲求と所属欲求の関係

マズローの欲求の5段階を示すピラミッドでは、所属欲求は承認欲求の下に位置していますが、この2つの欲求のうちどちらかがしっかり充足していれば、他方を補うことができるのではないでしょうか。

つまり、家族や友人のコミュニティなどで、恵まれた人間関係が構築できていれば、わざわざ誰かから褒められたり評価を受けなくても、さほど気にならないのではないかと思うのです。

アラフォーの承認・所属欲求

前置きが長くなりましたが、私たちアラフォーにとっての承認欲求および所属欲求について。

私が ”相手からのLINEの返信に振り回されてしまうメイコさん” に対して感じたのは、相手との関係に於いて、これらの欲求が満たされていないから生じるのではないか、ということでした。

 

例えば、LINEの返信が遅かったり既読スルーをされても、家族や親しい友人などよく知った信頼できる相手であれば気にならないというのは、まさに所属欲求が満たされているから。

さらに楽しい会話のラリーによって、承認欲求も満たされる。

しかし一方で、知り合ったばかりの相手から同じことをされると何か許せないというのは、社会的関係が構築できていない上に、自分が軽んじられているのではないかという感情を抱いてしまうからではないでしょうか。

つまり、所属欲求と承認欲求の “満たされぬダブルパンチ” を食らっている状態なのです。

そりゃモヤモヤしてしまうのも分かる気がします。

承認欲求や所属欲求を満たす方法

では、どうすればそのモヤモヤを解消できるか。

私は2つの解決策を考えました。

①コミュニティの充実

まず一つは、その他のコミュニティをより充実させること。

家族や友人など自分の所属欲求や承認欲求を満たしてくれるコミュニティが既にある場合は、その関係性をより強固なものにする。

もしくは、欲求が大きいようであれば、例えばSNSでアカウントを複数作り、いくつかの所属コミュニティそれぞれで少しずつ満たされるなど、分散して補っていく方法も考えられます。

②関係性の見直し

もう一つは、欲求が満たされない相手との関係性を見直すこと。

やはり若い頃に比べて自発性や意欲を司る脳の機能が衰えているアラフォーにとって、新しい人間関係を構築するのはなかなかしんどいことです。

どうしても経験を元に考えることが多いため、これまでの自分の基準に照らして可否の判断を下してしまいがちです。

「私がこう送ったら、このように返してくれる人が多い」とか、「この場合、ある程度のスピード感を持って返信すべきだ」など、無意識に考えてしまっているのかもしれません。

「私なんて」と「私なんだから」

モヤモヤするのは、多分「私なんて」と「私なんだから(私は私、これが私)」の狭間に立たされているから。

返信が遅いことひとつを取っても、「私のメッセージなんて後回しにされてるんだ」という思いと、「私はきちんと送ったんだから誠意を持って対応してほしい」という相反する二つの気持ちに板挟みになっているのだと思います。

 

特にアラフォーが婚活をする上では、謙虚さと自信のバランスを取るのは非常に難しいだろうと思います。

All-new な人間関係の前では、疑心暗鬼になったり不安を抱いたり、気持ちの揺らぎも多いと思います。

可能なところから所属欲求と承認欲求を満たすことができれば、自分の心持ちも安定し楽になるのではないでしょうか。

アラフォーの目指す場所

このコロナ禍で、2020年の秋には40代の女性の自殺者が前年の2倍であるというショッキングな報道がありましたが、この自殺にも、少なからず所属欲求や承認欲求が関わっていると思います。

歳を重ねると人の評価など気にならならなくなり、これらの欲求は自然に満たされるなどという話も聞きますが、私の場合はまだその境地には到達できていません。

 

マズローは「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定しており、その為には、所属欲求や承認欲求などはさっさと満たした上で、他者や社会に対し自分の能力をどう生かすか考えてコミュニケーションを取るようにしていかなければなりません。

40代以降は、自分のためでなく社会のために何ができるかを考え始めるタイミングだと言われたりもします。

自己実現、そして社会貢献

I ME MINE” を超えて、余裕・余白を持ち、アラフォーは社会に目を向けていくのが、あるべき姿なのかもしれません。

私にはまだまだ難しそうですが・・・。